麦茶、だいたい2日でなくなる。 今日も、いつものように沸かす。
子どもも、夫も、わたしも。 うちはみんな、よく飲む。
手を拭いていたら、 テレビから、聞き慣れない言葉。
ピーフォス……? まず、名前を調べてみる。
ねえ、PFASって知ってる?
ママ友体にたまりやすいものも あるんだって。でも、 何に入ってるんだろうね。
その夜。 環境省のページを開いた。
PFASは、ひとつの物質じゃない。 水道水の基準ができたのは、 そのうちのPFOSとPFOA。
日本では、 2つを合わせて50 ng/L以下。
補足・出典
出典1国によって、線の引きかたが違う。 まずは、わが家のことを知りたい。
翌朝、ふと。 うちの浄水器って、 何が取れてるんだろう。
「不純物を除去」。 不純物、って、何。 わたしは、説明できなかった。
たとえば、このざるなら。
網目より大きな小石は、 ざるの上に残る。
補足・出典
台所のざるを使った概念図です。浄水器の性能を示す実験ではありません。
では、水に溶けた砂糖は? 見えなくなっても、そこにある。
溶けた砂糖は、 このざるでは取り除けない。
補足・出典
台所のざると砂糖水の例えです。浄水器の性能や、溶存物質を除去できるかどうかを一律に示すものではありません。
見た目が透明でも、 何も含まれていないわけじゃない。
水に浮いているものと、 水に溶けているもの。 同じようには考えられないんだ。
塩素やトリハロメタン、硝酸態窒素。 PFASの中にも、水に溶けるものがある。 浄水器は、何でも同じだと思っていた。
……じゃあ、 沸かせばいいんじゃない?
沸かしたときの変化も、成分による。 「沸かしたから大丈夫」とは、 ひとことで言えないんだ。
……じゃあ、 何を見ればいいの。
そういえば。 水質検査の結果って、 公開されているんだっけ。
地域名と「水質検査結果」。 水道事業者のページを探す。
見つけた。 ……でも、表がびっしり。
検査した日。採水した場所。 家に届く水と、どうつながるの?
「基準内です」とは、 書いてある。
何が、どれくらい含まれているのか。 数字は載っている。 でも、わたしには、 まだ読み解けなかった。
ポットに手をかけて、 ふと、朝の食卓を思い出した。
「おかわり!」 小さなコップが、いつも空になる。
子どもも、夫も、わたしも。 毎日、当たり前に飲んでいる。
水道水は、安全に飲めるように 基準に沿って管理されている。
ただ。
わたしは一度も、 水を「選んだ」ことがなかった。
米は産地。卵は育ち方。 水だけ、 蛇口から出てくるものだった。
大人の体の約50〜60%は、水分。 年齢や体格によって違いはある。
全部を、一度に 分かろうとしなくていい。
家族が毎日飲む水だから、 ちゃんと知っておきたい。 まず、調べることから始めよう。
まず、どこを見るか。 それが分かれば、始められそう。
知らないまま飲むのと、
知ったうえで選ぶのは、
たぶん違う。
「おかわり!」
そのコップに、何を入れるか。
自分のためでもあり、
一緒に暮らす人のためでもあります。
水を、選べるようになる。
40日間・全15回
- 第1回良い水の、4つの条件
- 第2回それを確かめる、3つの根拠
- 第3回浄水方式で、取れるものが違う
- 第15回買う前に、メーカーに聞くべき5つの質問